あんずの「裏読み」暮らし帖 11

 

「熱帯夜で眠れない…」その疲れを狙う怪しい磁気マットレス。営業のプロが教える『無料体験会』の断り方

その「無料体験」ちょっと待って!寝不足の頭に忍び寄る、親切な営業マンの正体

みなさん、こんにちは。あんずです。

7月も終盤に入り、昼間だけでなく夜になっても気温が下がらない「熱帯夜」が続いていますね。

「エアコンをつけて寝ているのに、夜中に何度も目が覚めてしまう」

「朝起きた瞬間から、体がだるくて疲れが取れていない気がする」

60代を迎えた私たちの年代にとって、夏の睡眠不足は本当に体力を削られる切実な問題です。「なんとかしてぐっすり眠りたい」「このままだと夏バテで倒れてしまうかも」と、心も体もちょっぴり弱ってしまう時期でもありますよね。

そんな時、地域の公民館のチラシや、近所の空き店舗でこんなイベントを見かけませんか?

「地域のシニア応援!最新の磁気マットレス無料体験会」

「お気軽にお立ち寄りください。お帰りの際には、卵やティッシュをプレゼント!」

涼しいお部屋で最新の寝具に寝そべり、親切なお兄さんやお姉さんが「お体に無理はないですか?大変でしたね」と優しくお喋りに付き合ってくれる。おまけにお土産までもらえるなんて、寂しさや疲れを抱えた体には、まるで砂漠のオアシスのように思えてしまいます。

でも、ちょっと待ってください!

幼稚園教諭から始まり、不動産営業、ローンの決済、そして生命保険の最前線まで、23年以上「あらゆる営業の現場」を歩んできた私から見ると、あの至れり尽くせりの『無料体験会』は、私たちの財布を開かせるための高度な心理トラップが仕掛けられた、最も警戒すべき場所なのです。

今回は、弱ったシニアを狙う「展示販売・無料体験」のウラ側と、プロが実践する最強の断り方をお届けします。

1. 営業のプロは見抜く:なぜ、彼らは「何日もかけて」優しくしてくれるのか?

「あんなに親切にしてくれたんだから、悪い人たちじゃないはず」

そう思って、最終日に何十万円もする磁気マットレスや高額なサプリの契約書(特約付きのローン)にハンコを押してしまう人が後を絶ちません。

生命保険の世界でもそうですが、営業という仕事の真髄は「お客様と徹底的に人間関係(信頼)を作ること」です。

無料体験会にやってくる営業マンたちは、最初の数日は絶対に商品を売り込んできません。ただただ、私たちの健康の悩みを聞き、世間話に耳を傾け、徹底的に「味方」のフリをします。

人間には、人から親切にされたら「お返しをしなければ申し訳ない」と感じる『返報性の原理』という心理があります。彼らはこれを完璧に利用しているのです。

何日も通って仲良くなったお兄さんから、「実は、あんずさんのガチガチの腰を見て、本当に心配で……。このマットレスなら、劇的に変わるんです。今ならシニア特別割引きで、月々わずか5,000円の分割で済みます!」と真剣な目で訴えられたらどうでしょう?

寝不足で頭がぼーっとしていることも手伝って、「この人がここまで言うなら」「申し訳ないから」と、契約書の小さな特約の文字も見ずにサインしてしまうのです。彼らが売っているのは寝具ではなく、「親切」という名の高額な商品なのです。

2. 組織の仕組みの裏読み:他人が用意した「甘い空間」にお金を出しても、不安は消えない

今の仕事に少し疲れていたり、これからの年金生活や健康に漠然とした不安を抱えていると、私たちはつい「誰かが用意してくれた特別なもの」に頼って、その不安を一発逆転で解消したくなってしまいます。

実は私、老後の足しにと焦るあまり、世間の「誰でも簡単に稼げる!」という甘い言葉に流されて、高額なスクールを検討し、独学で2冊のKindle出版に挑戦したことがあります。

私のこれまでの豊富な営業キャリアを詰め込んで必死に形にしましたが、結果は収益「ゼロ」。現実はそんなに甘くありませんでした。

かつて生命保険会社で「支部長」という責任ある職を任されていた時も、最終的には組織の上の都合の良いように、職を降ろされるように仕向けられていたという、苦い経験があります。

国や組織、そしてこうした体験会を仕掛けるビジネスの側は、常に「自分たちが一番儲かるルール」を裏でガチガチに作っているものです。

無料の卵やティッシュの代金、公民館のレンタル料、そしてあの親切な営業マンたちの人件費が、どこから出ているか冷静に考えてみてください。すべて、最終日に誰かが購入する「30万円のマットレス」から支払われているのです。誰かが作った甘い仕組みに乗っかることは、誰かの利益のために自分の大切な命金(いのちがね)を差し出すことだと、私は失敗から痛いほど学びました。

3. 弱った頭と資産を守る「3つの大人の引き算防衛策」

熱帯夜の疲れに付け込まれ、大切な貯金を切り崩して後悔しないために、私が実践している防衛策を3つ共有します。

 「今日、ここで決めません」を合言葉に、スマホでクーリングオフを検索:

もし体験会に行ってしまい、個室で囲まれてペンを渡されたら、「娘に相談しないと、1円もお金を動かせないルールになっているの」と笑顔で突っぱねましょう。万が一サインしてしまったら、すぐにスマホ(iPhone)で「特定商取引法 クーリングオフ」を検索し、8日以内に書面を出す準備をしてください。

 「月々5,000円」を「総額」に引き算し直す:

彼らは「1日あたり缶コーヒー1本分」「月々わずか」と、金額を小さく見せる特約トークをしてきます。でも、それを「何回払いなのか」計算してみてください。5,000円の60回払いなら、総額30万円です。普通のWindows 10のPCやスマホが何台買えるか、冷静に天秤にかけましょう。

 「100円の塩飴」と「エアコンのタイマー」に立ち返る:

何十万のマットレスを買わなくても、熱帯夜を生き抜く最高の健康法はもっと安上がりです。設定温度を27度にしてエアコンを朝までつけっぱなしにすること、スーパーで買った100円の塩飴や、娘とお喋りしながら飲む冷たい麦茶。これだけで、ひと夏の健康は十分に守れます。立派な磁気なんて必要ありません(笑)。

最後に:自分の生活のハンドルは、誰にも渡さない

年齢を重ねるにつれて、体に不調が出たり、将来が不安になったりするのはごく自然なことです。

でも、その隙に忍び寄る「他人が作った高額なシステム」に、あなたの大切な資産を明け渡す必要はこれっぽっちもありません。

本当に大切なのは、他人の親切(営業トーク)に依存することではなく、自分の知識でルールの裏を読み、不要なものを賢く引き算していくこと。

この夏は、怪しい無料体験会でお土産をもらう代わりに、涼しい我が家で、娘と「あのチラシのトーク、生保の営業と同じね!」なんて裏読みの答え合わせをしながら、お気に入りのアイスでも食べる方が、よっぽど心が満たされる最高の快眠法です。

これからも、私の波乱万丈なキャリアと、たくさんの失敗から学んだ「本当の資産防衛の知恵」を本音でお届けしていきます。他人のルールに踊らされず、自分たちの手で、賢く手元にお金を残していきましょう!

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